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中央快速線にグリーン車が導入されるようです(写真は サロE233-3029)

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一昨日(2/4)、JR東日本は中央快速線等にグリーン車サービスを導入すると発表しました。

 
中央快速線グリーン車のイメージ

(JR東日本“中央快速線等へのグリーン車サービスの導入について”より)

 
八王子以東については中央快速線に乗る機会がほとんどないのと、そもそもそういう噂に疎いのでぜんぜん知りませんでしたが、豊田車両センター(八トタ)配置のE233系に2階建てグリーン車が2両組み込まれることになるようです。

といっても、グリーン車のサービス開始が2020(平成32)年度とあり、車両および施設の準備に5年も掛かるので、まだまだ先の話しです。

 
中央快速線はオレンジの帯色のE233系(0番代)の10両編成または6+4両分割編成で運用されていますので、グリーン車組み込み後は12両編成になります。

すでに特急「スーパーあずさ」が12両編成なので、特急停車駅の東京、四谷、新宿、三鷹、立川、八王子、大月の各駅は12両に対応されていますが、それ以外の駅は今のところ10両までしか対応していません。

グリーン車サービスの導入エリアが下図のとおりで、12両対応工事の必要な駅も約40と結構多いので、それだけでも準備に時間が掛かりそうです。

 
中央快速線のグリーン車運行区間

(JR東日本“中央快速線等へのグリーン車サービスの導入について”より)

 

2階建てグリーン車もかなりの両数を新製する必要があります。

中央快速線で運用されている八トタのE233系は、10両編成が42本(T1〜T42編成)、6+4両分割編成が16本(H43〜H58編成)。それぞれの編成に2両のグリーン車を組み込むことになるので、合計116両を新製しないといけません。

2階建てグリーン車を製造可能な鉄道車両メーカーは、総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所(元東急車輌製造横浜製作所)と川崎重工業の2社だけ。
JR東日本が子会社のJ-TRECの稼働率を上げようなんて考えたりすると、J-TREC比率が高くなるので同事業所の製造能力が律速になってきます。

でも、E231系1000番代(近郊形)のときの実績を見ると、41編成分82両のグリーン車を約1年半で製造しているので、こんどのケースでは2018(平成30)年辺りから製造を開始すれば間に合いそうです。すごく単純な計算ですけどね…

実際にはまとまった両数が出揃うまでグリーン車を既存編成に組み込めないので、疎開先の確保をどうするか?その辺りが気になりますが、こちらはJR東日本は管轄エリアが広いので多分大丈夫でしょう。

 
今回の発表で一番気になったのは、グリーン車に設置されると思われるトイレの汚物処理をどうするか???なのです。

 
中央快速線用のE233系の配置区は豊田車両センター(八トタ)ですが、この他に武蔵小金井に派出所があり、まとまった本数の留置線が高尾、拝島、青梅の各駅にあります。

これらの車両基地や留置線は基本的に10両編成を収容するのを前提に有効長などが決められていますが、編成両数が2両増えるのに合わせて施設の延伸や拡幅をしなければなりません。

それだけでも大変なのに、これらの施設に汚物を下水管に流すための処理設備が設けられていないということも問題になります。

 
汚物処理設備というのはトイレの床下などに設置された汚物処理装置に溜まった汚物を抜き取り処理するための設備ですが、E233系が配置されている豊田車両センターには循環式汚物処理装置から抜き取るための一連の設備がありません。

 
かつてトイレの汚物は垂れ流しで、トイレ床下の流し管を通して汚物が撒き散らかされていました。

そのため、トイレ近傍の壁に「停車中には使用しないでください」との注意書きがありました。

これではまずいということで、優等列車を中心に昭和30年代中ごろから汚物処理装置が取り付けられるようになり、2002(平成14)年までに装置の取り付けまたは車両の置き替えが完了しました。

これで“黄害”問題は終わりましたが、つい最近の話しだったのです。

 
黄害対策として国鉄/JRでは主に循環式(タンク式)の汚物処理装置が取り付けられましたが、大都市圏の中距離電車を擁する車両基地については、昭和50年代に開発された、地上設備が小さくても対応できる浄化排水式(カセット式)の汚物処理装置が取り付けられました。

地上側の設備の関係で、三鷹(のちに豊田に転属)の115系はカセット式、松本(のちに長野に転属)の115系はタンク式というように配置区ごとに汚物処理装置が種類が変わってしまいました。

 
クハ115-374 のカセット式汚物処理装置

クハ115-374のカセット式汚物処理装置

上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。

 
豊田(八トタ)にタンク式汚物処理装置付きの189系が配置されていますが、配置区で汚物の抜き取りができないため、わざわざ甲府までの回送を適宜設定して対応しています。

スカ色の115系は昨年12月に引退しましたが、211系への置き替えでカセット式の現役車両がなくなりました。
スカ色115系の廃車回送を兼ねた「ありがとう 115系の旅」のチラシに“車内のトイレは使用できません”と書いてあるのは、カセット式汚物処理装置の地上側の設備が使用停止になったためと思われます。

この他に、これは推測ですが、八トタの115系を置き替えるための211系が長野総合車両センター(長ナノ)に移管されたのも汚物処理装置が関係しているのかも知れません。まぁ、予備車の削減などのメリットがあっての話しだと思いますが…

 
脱線ついでに他区の115系の話しですが、

岡山電車区(岡オカ)と広島地区の広島(広ヒロ)・下関(広セキ)とのあいだで115系のやり取りがあまり行われていませんが、その理由の一つとして汚物処理システムが異なるということがあります。
岡オカは大都市圏の京阪神地区の影響もあって浄化排水式(カセット式)を採用していますが、広島地区は循環式(タンク式)です。

そのため、トイレ設備のあるクハ115形を配転するときは、JR支社間の壁よりも汚物処理システムの壁が邪魔になってしまうのです。

 

以上、中央快速線へのグリーン車サービスを導入について車両側から気になったことを書きました。

これ以外にも、早朝深夜に中央・総武緩行線に乗り入れる運用をどうするの?とか、東京駅での折り返しはグリーン車が連結されると厳しいのでは?などの疑問がありますが、さまざまな問題について解決の目途が立っての発表だと思いますので、5年後を楽しみに待ちましょう!

 
 * * *

 
今回はすでに製造されているE233系の2階建てグリーン車をアップします。
高崎車両センター(高タカ)のE233系編成の5号車に連結されている便所付きのグリーン車 サロE233形(サロE233-3029)です。

国鉄末期の211系からの伝統で、奇数形式の“サロE233”にトイレが設置され、偶数形式の“サロE232”に車掌室と業務用室が配置されています。

右隣の モハE232-3829 のトイレ下部にタンク式汚物処理装置が写っていますが、クハ115-374のカセット式とはぜんぜん外観が違います。

 
サロE233-3029

サロE233-3029(高タカ)  2014年12月20日 籠原駅

上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。

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