新津に残っていた広幅ホロを備えたキハ48形ワンマン改造車(キハ48 1545)
前回(先週)、たまたま手持ちの写真があったので小湊鐵道への譲渡車 キハ40 2021 を採り上げましたが、実際に配給輸送が行われたところ当ブログではあり得ないほどアクセス数が伸びました。
基本的にネタものは扱いませんが、只見線にはJR東日本の各地で改造されたキハ40形が寄せ集めになっていたので、これらを紹介したいと思って経歴とともにアップいたしました。
これと同じように新津運輸区(新ニイ)にも一部ではありますが地味に珍しい小牛田運輸区(仙ココ)向けのワンマン運転対応改造車が最後まで2両だけ残っていたので、昨冬は少々無理をしてこの2両を追いかけていました。
小湊鐵道に譲渡された キハ40 2021 と同様に直結式冷房装置(AU26J-A)を搭載し、駆動用機関(エンジン)をカミンズ社の DMF14HZ に換装したタイプですので、パッと見ではキハ40形の両運転台が片運転台に変わっただけの外観でした。
トイレなしの キハ48 1545(新ニツ)ですが、こんな感じ…
キハ48 1545(新ニツ) 2019年12月13日 酒田駅
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
普通の外観ですよね〜
でも、石巻・気仙沼線のワンマン運転用のために最低でも2両編成となってしまうキハ48形についてもワンマン運転対応の改造工事が実施されました。
今回アップした キハ48 1545 は キハ48 554 とともに1991(平成3)年10月にワンマン運転対応改造が施工され、キハ48 554 との2両固定編成となりました。
混雑対応のため客室の座席(ボックスシート)は1+2列に改装され、乗降時間の短縮のため出入台の仕切壁が撤去されました。
キハ48形特有の改造として妻面の貫通路の拡大されて、営団6000系のような貫通ホロが取り付けられました。ただ、のちに転落防止ホロが取り付けられたため、外からは分かりにくくなってしまいました。
でも、車内に入ってみればすぐに分かる特徴で、隣りの車両の客室まで観察できるほど拡幅されました。
キハ48 1545 の貫通路(手前が キハ48 1545)
ワンマン運転の際は乗降可能な扉を規制するため、“乗降口”“締切”などを表示する幕式の出入口表示器が扉脇に取り付けられました。
車体色は、首都圏色の朱色5号が当たり前だった時代だったので、ワンマン運転対応車を表すためクリーム色に濃淡の緑色の帯を入れた東北地域本社色に変更されました。
新色をまとったワンマン対応改造車の登場は衝撃的で、当時はEEきっぷというJR東日本独自のお得なフリー切符があったので、未改造のキハ48形と併せて小牛田運輸区に撮りに行ったほどでした。
2000(平成12)年度になってリニューアル工事が実施されて、駆動用機関(エンジン)が300PS(@2,000rpm)の DMF14HZ に換装されて、直結式の AU26J-A が取り付ける冷房改造も合わせて実施されました。
側窓下部の行先表示器も後年改造により取り付けられましたが、設置時期については分かりません。
小牛田オリジナルのワンマン改造車たちは仙石東北ラインが運転開始する2015(平成27)年5月改正まで活躍しましたが、同年7月に キハ48 554 とともに新津運輸区(新ニツ)に転属し、新津のキハ40形を只見線に転用して同線の非冷房車を淘汰しました。
このとき、ワンマン改造車6両とデッキ付きの未改造車2両が新ニツに転属しましたが、いずれも青系の新潟色に塗色変更され、2002(平成14)年に一度消滅していた新潟色(青系)のキハ48形がいっきに8両も復活しました(キハ48 545に“只見縁結び列車”のラッピングが施されたため、新潟色のキハ48形は7両に減りました)。
デッキ付き未改造車の2両は衛星アンテナを取り付けて只見線専用となり、2両編成3本のワンマン改造車のうち2本(4両)は2019(平成31)年に廃車されてしまったので、最後まで新潟色(青系)の塗色で羽越本線(新津〜酒田間)や磐越西線(会津若松〜新津間)を走ったのは、キハ48 554 と キハ48 1545 のペアでした。
営団6000系のような広幅ホロを備えたキハ48形、このタイプの形式写真と車内のホロ部分を撮りたくて天気予報と運用をウォッチングしていましたが、こうやって並べてアップできると嬉しいものですね〜 何回か通った甲斐がありました。
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