JRマークが貼付されている東海交通事業のキハ11形(キハ11-203)
この3月に高山本線のキハ40系のほとんどが淘汰されます。
すでに新形気動車キハ25形(2次車)が美濃太田車両区(海ミオ)に新製配置され、昨年12月からキハ25形の運用が開始され、すでに余剰となった車両が廃車回送されました。
3月1日の武豊線電化で余剰となるキハ25形(1次車)と快速「みえ」の減車によって捻出されたキハ75形が、3月ダイヤ改正から海ミオで使用開始される予定です。
まだ、この時点でキハ40系がすべて置き替えられるのではありませんが、JR東海のダイヤ改正発表資料によると“高山線の岐阜〜美濃太田間は約8割の定期列車が、キハ25形もしくはキハ75形気動車になります”と書かれているので、列車本数の多い区間はほとんど新形車両に置き換わることになります。
しかも、淘汰されるのはキハ40系だけでなく、分割民営化直後に製造されたキハ11形も置き替えられることが明記されました。
車齢25年ちょっとのキハ11形がキハ40系とともに淘汰されるということなのです。
もう1ヶ月前の発表でしたが、驚きました。
キハ11形は投入線区と仕様により0・100・300番代に分かれています。
昨年までまったく撮影機会に恵まれなかった形式でしたが、一身田遠征のときに伊勢車両区(海イセ)の暖地向けの0番代とステンレス製車体の300番代が撮れたので一安心したばっかりでした。
あとは、寒地向けの100番代だけ… これが撮れればキハ11形は一通りの区分は押さえたことになります。
と思っていたら、実はこれ以外にも東海交通事業という城北線(勝川〜枇杷島間)を運営している会社が保有している200番代(キハ11-203・204)が海ミオに配置されているのを思い出しました。
東海交通事業の社章
基本的に私鉄車両は追いかけていないので、本来ならスルーして、その熱意をほかの車両の撮影に傾けたいところですが、キハ11-203・204 はJR東海のキハ11形100番代と同じ外観をしているのです。
しかも、車体塗色だけでなく、正面などに“JRマーク”まで貼ってあるらしいのです。
となると、記録のために撮っておきたくなるのが人情です。
ということで、一昨日(2/13)の美濃太田遠征は、今まで通りにキハ40系だけを狙うのではなく、東海交通事業の キハ11-203・204 も撮影対象に入れることにしました。
一昨日は曇り予報だったので夜通しの運転で現地に向かいましたが、現地は“晴れときどき雪、たまに吹雪”という最悪の状況でした。
8時間以上も美濃太田駅に滞在したのに、撮れたのは数両だけ。しかも、キハ40系が停車していたときは運悪く吹雪…
でも、キハ11形が駅ホームに入ってくるときは曇ることが多いという、消化不良の遠征でした。
キハ11-203(海ミオ) 2015年2月13日 美濃太田駅
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
海ミオにはキハ11形100番代が17両配置されていますが、このほかに東海交通事業からの借り入れ車で200番代の キハ11-203・204 が配置されています。
東海交通事業のキハ11形200番代はJR東海のキハ11形100番代とまったく共通で運用されているので、この2両を撮るとなると2/19の確率になります。
しかも、美濃太田駅は富山方に車両が連結されると駅舎下に入ってしまうため撮影ができません。
このように撮影確率の低い車両を追いかける場合は運用表が必須になりますが、世の中は国鉄形車両ブームの真っ直中。
キハ40系を追いかけるための運用情報はあっても、民営化以降に生まれたキハ11形の情報はありません。
そうなると、キハ11形200番代が撮れるかどうかは運次第。
いつもなら、こういうときは運悪く撮影できないで終わることが多いですが、今回はたまたま キハ11-203 が曇っているときに2番線に入ってくれました。
順光できれいに撮れる3番線に キハ11-203 と キハ11-204 が止まってくれることもありましたが、カメラの背後にあるホテルの影が邪魔な時間帯で、しかも晴れてしまったので、こちらはダメでした。乗客を降ろしたあとの信号待ちだったので、スローシャッターにはいい条件だったのですが…
その代わりに、先頭部側面の2位側に取り付けてある銘板だけを撮影し、東海交通事業が所有している車両であることの証しを記録。
さらに車内を観察し、JR東海所属車と貼られているポスター類が同じであることも確認。
正面のJRマークも含め、銘板以外はすべてがJR東海仕様になっていることをこの目で確認しました。
キハ11-204 の銘板
なお、東海交通事業(TKJ)はJR東海が100%出資している完全子会社で、JR東海管轄の駅業務などを担っている会社です。
TKJのキハ11形は1993(平成5)年の城北線尾張星の宮〜枇杷島間の延伸開業時に投入された車両で、JR東海の18m級軽快気動車のキハ11形100番代と同形態のものが4両だけ製造されました。
このうち城北線専用の キハ11 201・202 は車体が同線専用塗色となっており、ドアのステップが廃止されています。
しかし、キハ11 203・204 は城北線の線路使用料相殺のためにJR東海の海ミオに貸し出されているJR東海仕様車なので、高山本線・太多線の新形車両化後に2両とも城北線に転用するということにはならないと思います。
高山本線・太多線がキハ25形とキハ75形の形式だけになるとき、キハ11 203・204 はどうなるのでしょうか?
この2両の去就が気になるところです。
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