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“エル特急”という呼称がなくなる「ワイドビューしなの」(クモハ383-11)

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JR北海道、JR東日本と続けてきたので、こんどはJR東海を、と用意しようと思ってましたが、今年はJR東海エリアに1回しか足を踏み入れませんでした。

このときに撮影した紀勢本線のキハ25形と特急「ワイドビュー南紀」のキハ85形はすでにアップしましたので、もうネタ切れか?と思ってましたらエリア外で撮影した形式写真がありました。

JR東日本の大糸線に入線している「ワイドビューしなの」の383系です。

 
JR東海の振子式電車 383系は名古屋駅で撮影できますが、ここで撮ると天井の低い車体が悪さして、構図の締まりが悪くなってしまいます。贅沢な悩みなんですけどね…

 
以前から大糸線の信濃大町駅で383系を撮りたいと思ってましたが、土休日や繁忙期にならないと大糸線に入線しないので、撮影を先送りしてました。

でも、9月の信濃大町遠征は引退直前だった“いろどり(彩)”の485系5000番代(ナノN201編成)を撮りに行ったときで、たまたま土曜日だったので、白馬行きの臨時「ワイドビューしなの81号」が運転されてました。

383系はステンレス製車体なので障害物が写り込む厄介な車両ですが、信濃大町駅はまわりに大きな構造物がないので、名古屋方の2両だけはきれいに撮れました。しかも、天井の低い車両でも迫力が出るように正面寄りの構図で撮影できました。

 
今回は、神領車両区(海シン)に配置されている「ワイドビューしなの」用4両編成(A102編成)の名古屋方の制御電動車(Mc)、クモハ383-11 をアップしたいと思います。

 
クモハ383-11

クモハ383-11(海シン)  2017年9月16日 信濃大町駅

上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。

 

来年(2018年)3月ダイヤ改正で“エル特急”が消滅するそうです。

 
“エル特急”という呼称は国鉄時代の1972(昭和47)年10月に登場しました。

国鉄時代、1970年代まで特急列車はまさに“特別な急行列車”でした。
11両や12両などの長大編成で、すべての車両は指定席車。さらにグリーン車が2両、食堂車が連結されるのが当たり前でした。

しかし、1970年代に入ると国鉄の赤字は膨らみ、経営状況の悪化に対処するための施策が打たれるようになりました。
その一つが急行列車の特急列車への格上げでした。

急行列車を格上げして特急列車の本数を増やし、特急列車にも自由席車を連結し、それまでの急行列車のように乗りやすくした特急列車を“エル特急”と呼ぶようにしました。

 
1972(昭和47)年10月に“エル特急”となった特急列車は、
「ひばり」(上野〜仙台間・485/583系)
「ひたち」(上野〜仙台間〈常磐線経由〉・485系)
「わかしお」(東京〜安房鴨川間・183系)
「さざなみ」(東京〜館山間・183系)
「とき」(上野〜新潟間・181系)
「あさま」(上野〜長野間・181系)
「つばめ」(岡山〜熊本間・485/583系)
「はと」(岡山〜下関間・181/485系)
「しおじ」(新大阪〜下関間・181/485/583系)
の9つ。

その後、“エル特急”は国鉄の特急列車網の充実とともに増加し、ディーゼル特急にまで波及しました。

しかし、新幹線網の充実にともない在来線特急列車が減少する一方で比較的短距離な連絡特急列車が増加し、自由席車を連結するフリークエンシーなサービスが当たり前になったため、“エル特急”の呼称をやめる動きが徐々に広がりました。

 
それでも、JR東海は自社エリアを発着する「しらさぎ」「(ワイドビュー)しなの」「(ワイドビュー)ひだ」に“エル特急”の呼称を残していました。

 
来年(2018年)3月ダイヤ改正で“エル特急”という呼称がなくなったからといって何らサービスが変わる訳ではありませんが、こうやって少しずつ国鉄時代の遺産が消えていくのでしょうね。これからも…

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